瑠璃色*旅日記

旅に出かけるのはいつだって楽しい

カンボジア~アンコール遺跡~へ

カンボジア旅・最終日~トンレサップ湖

ツアーの行程では、最終日の午前中も遺跡の見学、ということになってましたが、
さすがにもう遺跡はおなかいっぱい。
キャンセルして、トゥクトゥクで街へ出かけました。

シェムリアップは、首都プノンペンに次ぐカンボジア第二の都市だそうですが、
それでも舗装されてない道路も多かった。
内戦時代が長かったせいか、インフラ整備はまだまだという感じらしいです。
こういう国では、エコだの環境だのといった話は二の次になってしまっても当然という気がする。
CO2の排出削減なんてきっと、何それ!?って感じなんだろうな。

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それはともかく、トゥクトゥクで走ると、風を切って気持ちい~い!
ただホコリっぽいのには閉口しました。

街をぶらぶらしお土産などを買ってから、
ホテル近くのアンコール・クッキーというお店へ。
こちらは日本人が経営するお店で、その安心感のせいか日本人観光客でいっぱい。

私たちの目的は、お土産のクッキーと、サトウキビのジュース。
街中の屋台のものは、やっぱり少し怖くて口にできなかったけど、
ここなら氷も安全と聞いて飲んでみたくなりました。
サトウキビをローラーで絞って出てきた果汁を飲みます。
少し生臭いのかなと思ったけど、ライムをたっぷり絞ってくれたせいか、
すごくさっぱりとした甘さで飲みやすい。
ジュースを絞ってくれた女の子が、「こちらもどうぞ。」という感じで持ってきてくれたのが、
一口大にカットして冷やしたサトウキビ。
ガムのようにくちゃくちゃ噛むと、じわっと甘みが広がってこちらもおいしい。
さすがに日本人オーナーらしく、サービスが行き届いてるお店でした。



午後は、オプションツアーでトンレサップ湖に出かけました。
「伸縮する湖」などと言われ、雨季には乾季の3倍もの広さになるそうです。
車で湖に向かう途中で「雨季にはこのあたりからもう湖ですよ。」と聞かされてびっくり。
草原みたいに見えてるところが全部湖になるってこと!?
道路脇の家もよく見ると高床式のようになっていて、
雨季には床のすぐ下まで水が来るみたいです。

この時、付き合ってくれたガイドは、
遺跡を案内してくれた人とは違って、日本語があまり上手くない。
「韓国の支援でできたなみとがあります。」と言うので、
なみとって何だろう??と考えてたら、「間違いました。みなとです。」
こんな調子で時々何を言ってるか分からなくなる。
それもまた面白かったけど。

彼の言うみなと、船着場からボートへ乗ります。
このオプションは私たち夫婦だけだったので、
別のツアーのお客さんたちと一緒だろうと思っていたら、
人数にかかわらず1つの船に1団体ずつ乗る。ちょっとびっくり。

ank502.jpg こんな感じの船です。

ank506.jpg 船着場から細い水路を通って湖へ。


まだ雨季に入ったばかりで、水量が少ないせいか、
中心部分へ出るのに少し時間がかかりました。
でも水路を出て広い所へ出ると、その先がもうずっと、どこまでも続く湖。
まさに海みたいで、水平線が見えるのです。


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ここトンレサップ湖では多くの人が水上生活を営んでいて、
学校も教会もお店も全部船の上。
当然、生活のすべてが湖の上なので、つまり排泄も洗濯も湖。
体も湖で洗い、飲み水も湖から取る、とのこと・・・・・。
ある程度予備知識はあったけど、目の当たりに見るとちょっとびびりますね。
インドのベナレスなんかもこんな感じかなあ。
でもあっちは川だもんね。少なくとも水は流れてるんだものね。
ここは湖だもんなああ~。こういうの、カルチャーショックって言うのかな。

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観光ボートは、ここでの暮らしぶりを見学できるよう、
建ち並ぶ(?)家々の間をゆっくり通ってくれるのですが、
皆さん普段の生活を送っておられるわけですから、
のぞき見してるみたいな居心地の悪さも感じました。
それでも見に来てよかった!貴重な経験だった!!



宿泊したホテルは18時にチェックアウトすればよかったので、
いったん戻ってシャワーを浴びることができてありがたかった~。
空港へと向かう前にオールドマーケット近くのレストランで夕食。
オープンカフェのようなスペースで、
夕暮れの街の雰囲気を楽しみながら最後の食事を楽しみました。

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シェムリアップ空港からバンコクへ。そして福岡へ。
今回の旅も充実していました。



―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*

長く続いた内戦のために、今も生活は楽ではなさそうなカンボジアの人々・・。
でも壮大なアンコールの文化を築いた人たちです。
きっと、潜在的なパワーがあるはず。
今後の発展に心からエールを送ります!

カンボジア旅・3日目~バンテアイ・スレイ&タ・プローム

アンコール・ワットでの朝日を鑑賞するため、4時半に起きて出かける。
昨日に引き続き曇りがちのお天気のようで、
あまりきれいな朝焼けは期待できないけれど、
一生に一度のチャンスだもの、行かないわけにはいかない。
同じように考えたであろう大勢の人たちと、聖池の付近でじっと待つ。


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残念ながらやはり朝日は拝めず・・。
ここからだと、ちょうど中央塔の向こう側から太陽が昇ってくるはずなんだけど。
でも池の水際から動かずねばったおかげで素敵な写真が撮れました。

今回のツアーには5歳の男の子がいて、
頑張って早起きしたらしく両親に付いてきていましたが、
「朝ごはん食べたらまた遺跡の見学だよ。」とお母さんから聞かされて、
「遺跡はもうイヤ~!!」と騒ぎ出しました。
あはは、分かる分かる~。それは正しい反応です。
実を言うと、私でもちょっと飽きかけてきてましたもん。
でもこの日の午前中に行く所は、ぜひとも見ておきたい!と思っていたので、
ホテルの朝食をもりもり食べて、気合を入れました。


ank402.jpg改めて出発。
車で1時間弱かけて、
バンテアイ・スレイという寺院へ
向かいました。











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こちらは赤い岩石やレンガを使って造られていて、全体的にとても赤く、
一見、これまで見た遺跡とはかなり違う印象を受けます。
でも石に彫られたレリーフはやっぱりすごい。
アンコール・ワットやバイヨンより彫りが深いせいか、
近寄ってみるとややごちゃごちゃしてるようにも見えるけど、
全体を眺めると陰影に富んで優雅です。

ank404.jpgここで有名なのが、
「東洋のモナリザ」と呼ばれるデバター。
かつてフランス人が盗もうとして、
つかまったことがあるんだってさ~。
おかげで、今は間近に寄って見られない。
まったくもうっ。
でも遠目にも優しい感じが伝わってきます。
モナリザ・・というより、
昔見たことがある法華寺の十一面観音像みたい。



















バンテアイ・スレイからの帰り道、
ちょっと寄り道してもらって、やし砂糖を買いました。
やしの樹液を煮詰めて作るもので、道路沿いで出来たてを売っています。
写真左下の湯気が立ってるお鍋、あれで煮詰めているんです。
シェムリアップの街中でも売ってるらしいけど、
どうせならこういう場所で買ってみたいもんね。
ちなみに日本に帰ってきてから、この砂糖でお菓子を作ってみました。
ほんわりした甘さで、なんだか懐かしい感じです。

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次はタ・プローム寺院へ。
映画のロケに使われたことで有名な場所です。
他の遺跡のように修復工事を行わず、発見当初のまま残されています。
樹木の根が建物を覆うさまは、まるで意志を持ってるみたいで、かなり不気味です。

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ank407.jpgこれは根の部分らしいけど、
くびれのない私の胴より太い。
ただ、この木は中が空洞で、
木材にも燃料にもならないらしい。
昨日からずっと案内してくれている、
カンボジア人のガイドは日本語ぺらぺらで、
彼によると「うどの大木」だそうです。
















タ・プロームはものすごく人が多くて、道も少し渋滞してました。
ガイドが思わず「信じられない・・。」とつぶやくほどの混み具合。
ベトナム人が多かったようです。
後から分かったのですが、ベトナムの連休に当たっていたようです。
最近、ベトナムからの観光客が多いそうなんですが、
我がガイドはそれをあまりこころよく思ってないらしい。
ガイドブックには、《カンボジア人はベトナム人に対して、
複雑な感情を抱いているので、うかつな事を言わないように》と書いてあったけど、
彼の話を聞くと、反対側の隣国であるタイについても微妙な感情を持ってることが察せられる。
それが彼の個人的な意見なのか一般的な見方なのか分からなかったけど。
いずれにせよ、隣国との関係というのは難しいものなのかも。
ましてや地続きなんだしね。
ベトナムからは大型バスで10時間くらいかけてやって来るそうです。それもすごい・・。




ank408.jpg午後もいくつかの遺跡を見学。
その中の一つ、バンテアイ・クディでは、
塔が崩れ落ちてこないように、
いくつかひもで留められてましたけど、
こんなんで大丈夫なんでしょうかー。
ここは、日本の上智大学が、
継続して調査をしている所らしいですが、
この時は人が少なかった。
前日からずっと人混みにもまれていたから
ちょっとほっとできました。

















街へ帰る途中、昨日見学した「象のテラス」が見えました。
アンコール・トムの「勝利の門」という門から入ると、
真正面に象のテラスが見えてくるんです。
車からちらっと見ただけだったけど、テラスの大きさに改めて脱帽!
昨日はあまりにも近くで見ていたために今ひとつ実感できてなかったみたい。
「勝利の門」は要するに凱旋門。
外国に遠征していた兵士たちがここを通って帰ってきて、
このテラスで王様に迎えられたわけだ。なるほどね~。
兵士たちの高揚した気配がそこここに残っていそうな気がしました。




ank409.jpg雨が降り出す前に、と早めにホテルへ。
明るくてゆったりしたホテルです。

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せっかくなのでプールで泳ぎたい、と夫。矢印の先にご注目。
この後、またまたスコールがやってきて、あっという間に視界が真っ白に。
観光中に降られなくてよかったー!!
これから本格的な雨季になると、日に何度もこんな風に雨が降るみたいですが、
日本の梅雨時のように、一日中しとしと降り続くという感じではないらしいです。
この濃密な雨が、昨日プノン・バケンから眺めたような密林を育てるのね・・。




ank412.jpgホテルで夕食。
ここでもアプサラダンスのショーがありました。
ご飯はやっぱりおいしかった。


カンボジア旅・2日目~プノン・バケン

ank301.jpgアンコール・ワットからの帰りぎわ、
夫が売店でビールを購入。
ツアーの方と一緒に飲み始めました。
「これから山登りするのに大丈夫~?」と聞くと、
「すぐに汗で出て行くからダイジョブだいじょぶ~。」
まあ、確かに暑くて暑くて、
ただ立ってるだけでもじわじわ汗が出てましたけど・・。
酒飲みの言いわけはどうしようもないですね。












プノン・バケンは山というよりは、丘ぐらいかな。
緩やかな坂を15分ほど上った頂上にピラミッドのような寺院遺跡があります。
ここからはアンコール地方を360度見渡すことができ、
夕日鑑賞スポットとして大人気。
この日は、雨があがった後もどんよりと曇っていたので、
きれいな夕日はあまり期待できなさそうでしたが、
それでも大勢の人が頂上を目指していました。

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象に乗って上ることもできます。
この写真、分かるかな~?
木に階段が取り付けられているので、
それを登って木の上から象の背中に乗り移るってわけです。







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頂上にある遺跡。
階段が急なので、これを登るのか~っとげんなりしてると、
ガイドさんが「向こうの階段の方がましだからあっちで登りましょう!」
ああよかったと付いて行くと・・・

ank304.jpg←こっちもかなり急なんですけど~!

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↑デニムのデカ尻を見せてるのが私。

それにしても、歴代の王様たちははどうやって登ったんだろう。
手を使わずには登れないので、
家来たちだって、乗り物を担いで登るのは無理だと思うの~。
だからって王様ともあろう人が、こんな風にはいつくばって登るわけないしね。
ガイドに聞いたら、「もう少し緩やかな階段もあります。」
って言ってたけど、心なしか、自信がなさそうだった気がするのでした・・。


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だけどさすがに眺めは最高!
画面のほぼ中央にうっすらと映っているのがアンコール・ワットです。
こうして見るとまさに密林の中・・って感じですね。


ank307.jpg予想通り夕焼けというほどの光景は
見られなかったけど、
気持ちよかったなあ~。
遠くに見えてるのが西バライ湖。
人造の大貯水池です。


























ank308.jpg登るのも大変だったけど、
降りるのもこわ~い。
高所恐怖症の私。下を見ないように、
足元だけに集中して降りました。


















ank309.jpg夕食は、市内のレストランで、
アプサラダンスを見ながらバイキング。
このダンスの装束は、
昼間遺跡で見たデバターたちにそっくり。
それもそのはず、内戦時代に
多くの踊り子さん達が死んでしまったので、
彫刻を参考にしながら
復興してきたものなんだそうです。
切なくも誇らしい話です・・。



















それにしても長い1日でした。


カンボジア旅・2日目~アンコール・ワット

昼食後、いったんホテルに戻って2時間ほど休憩。
暑くて疲れていたので、この休憩は貴重でした。
ところが、そろそろ出かける準備をしなければ・・と思い出した頃、雨が降り出しました。

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この時期、カンボジアは雨季に入りかけていました。
こちらの雨はスコールのようなもので、ざっと降ってすぐにあがる・・
と聞いていたものの、あまりの激しさにしばし呆然。
まさにバケツをひっくり返したような雨で、
水煙で景色が白く煙ってしまいます。
とりあえずレインコートを持ち、
持参した折りたたみ傘ではなくてホテルの大きな傘を借りて出かけました。
こんな中で観光するのか不安だったけど、
アンコール・ワットへ到着する頃には小止みになってきて、ひとまずほっっ。


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まんまんと水をたたえた環濠に囲まれたアンコール・ワット。
建造時期はアンコール・トムより古く、ヒンズー教の寺院です。
↑ここからでは西塔門にさえぎられて中央塔は見えません。
↓門を入ると、いよいよ全体像が見えてくるのですが、
それにしてもすごい人です。
石造りの参道からこぼれ落ちんばかり。

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参道の左手にある聖池越しにアンコールワットを眺める。
水に映った姿は本当に美しい~。

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ank206.jpg十字回廊と呼ばれる部分を見学してから、
彫刻が素晴らしい第一回廊へ。
画面左下、すでに疲れ始めてる私。
不思議なのは、ついさっきまで豪雨だったのに、
足元の土も石もがあまり濡れてない。
というか、もう乾いてる。
日本なら靴が泥だらけになるだろうにね。
地質が随分違うんだなあ~。






ank207.jpg第一回廊には、アンコール・トムの
南大門のところで書いた、
『乳海攪拌』の彫刻がありますが、
こちらは修復中で、全部は見られませんでした。
その代わりに写真が展示されてる所です。













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中央塔へと続く第三回廊内は現在修復中。残念ながら入れません。
第三回廊の階段はむちゃくちゃ急なので、
観光客のための階段と手すりを作っているところです。
中に入れなかったのは残念だけど、
アンコール・ワットは外からの全景がとにかくきれい。
それを見られただけで十分満足です。



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寺院を彩るのはデバターと呼ばれる女神たち。
よく見ると、髪形やアクセサリーが一人ずつ違います。
アンコールの遺跡群にはどこにでもこのデバターが彫られているけれど、
遺跡によって少しずつ違っていて、
スカートの脇からひらひらと横に布が垂れているのがアンコール・ワット風。
布が中央に垂れているのがバイヨン風なのだとか。
右は歯を見せて笑ってるデバター。
当時は下品とされていたらしい。職人さんの遊び心かしらね。

私が気に入ってる一枚。

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ank203.jpg柱に弾丸の痕が。
内戦時代の痛ましい名残。



















ank213.jpg僧侶・・の卵たちかな。若そうでした。















西塔門の入口から中央塔をのぞむと、一幅の絵のようです。

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この後、プノン・パケンの丘へと向かうのですが、
写真の枚数がいっぱいになってしまったので、さらに次のページへ!!


カンボジア旅・初日、2日目~アンコール・トム

「カンボジアへ行ってきたよ。」と言うと、
一瞬、「何をしに・・?」という表情をする人が多い。
「アンコール・ワットを見てきたのよ~。」と言うと、皆すぐに納得。
そう、世界遺産アンコール遺跡はカンボジアですよー!!

現在、日本からカンボジアまでは直行便がなく、
タイかベトナムを経由して行くのが一般的だそうです。
私たちは、タイ・バンコクルートを選びました。
福岡からバンコクまでは5時間ほど。
バンコクから、アンコール遺跡観光の拠点となる街シェムリアップまでは1時間足らず。
だけど乗り継ぎのための待ち時間もあるので、初日は結局移動のみ。
直行便がないって結構つらいものです・・。



次の日は、朝からアンコール・トムへ向かいました。
アンコール・トムは、『大きな町』という意味で、
言ってみれば都ということ。
城壁と堀に囲まれた広大なエリアに、寺院や王宮などの遺跡が残っています。

いくつかの門が残っていますが、正門というべき南大門から入りました。

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南大門の正面、堀にかかる橋の欄干部分には、
ヒンズー教の神話である「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」の像があります。
この話はちょっと分かりづらいんですけど、
大幅にはしょって言うと、神々が海をかき混ぜた結果、
いろんなものが生まれたという、天地創世のお話らしいです。
アンコールワットの壁画にも描かれてるとか。

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私はこの話を聞いて、日本の神話を思い出しました。
日本では、イザナギ・イザナミという夫婦の神さまが海をかき混ぜて、
日本列島の島々が生まれたことになってます。なんか似てません?
神話というものはどの国のもどことなく似ているものだけど、
海をかき混ぜるってところが何となく好き。
すべての生命の起源が海だったことを、
古代の人々も直感的に知ってたのかもしれないと思える。


アンコール・トムの中心、バイヨン寺院へ。

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ank105.jpg12世紀に建てられた仏教寺院。
柱や回廊にほどこされたレリーフが
驚くほど精緻で見応えがありましたが、
ここで最も有名なのは「クメールの微笑み」
と称される観世音菩薩像です。↓















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アンコール・トムを建造したジャヤヴァルマン7世(*)という王さまが、
観世音菩薩を深く信仰していたそうで、
寺院内の塔には、四面すべてに観世音菩薩が彫られています。
ガイドによると、観世音菩薩の慈悲が民衆にあまねく四方に届くように、
という意味が込められているのだとか。


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正直なところ、私には、そんなことで民衆を救えるとは思えないのですが・・。
むしろ、これだけのものを作るための課役や課税は、
多くの民衆を苦しめたことでしょう。
そういえば、アンコール時代よりさかのぼること数世紀・・奈良時代の日本では、
聖武天皇が、仏教によって国を治めようとバカでかい仏像を作りました。
権力者の考えることも似てるものなのね。
だけど、その権力者たちのおかげで、今、私たちは美しい文化財を見られるわけで。
なんかフクザツな気分なんだよね~。




ank107.jpg寺院内には所々に仏像が安置され、
線香やお花を手向ける人もいる。
























ank109.jpgアンコール遺跡では各国の支援・協力の下に
調査や修復が行われています。
もちろん日本も参加。
バイヨン寺院では崩れ落ちてしまった塔も多く、
もともと何基の塔があったのか
正確にはわからないとのこと。すごい~。




















バイヨンを出て「象のテラス」へ。
王族が閲兵を行うためのテラスだとか。
とにかくでかい!と言うか、長い!
全長300m以上あるため、全景はとても納まりません。
テラス前の広場が兵士で埋め尽くされた光景を想像すると、鳥肌が立ちそう。
アンコール王朝の最盛期には今のベトナムやタイあたりまで領土を広げてたそうです。

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ank111.jpg名前の由来はこのレリーフ。
そう、象の鼻です!!
高さは3mぐらいかな。
これがえんえんと続いているんです。
壮観でした。


















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パプーオン(左)・ピミアナカス(右)・ライ王のテラスなどを見学して、朝のコースは終了。
はああ~疲れたあ~。
何しろ暑いのよ~。暑いとただでさえ消耗するのに、
2時間近く歩き回りましたからねえ~。
ピミアナカスの前で撮った写真の顔はぼろぼろでした・・・。


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お待ちかねのお昼ご飯。
実は私は、辛いものが少し苦手で、
タイ料理も、モノによってどうしても口に合わない場合があります。
なので、タイのお隣であるカンボジアのお料理も少し警戒してたのですが、
・・・おいしいや~ん!!
思ってたほど辛くない。
観光客向けに仕上げてあるからかもしれないけど、
全体的にマイルドで、食べやすい。
写真には写ってないけど、バナナの葉っぱでくるんだ
魚のすり身の蒸し物みたいなやつが好きだったなあ~。

食事の後、いったんホテルに戻って休憩し、
再び集合して旅のハイライト、アンコール・ワットへ向かいました。
その様子は次のページで!


(*)ジャヤヴァルマン7世
ガイドブックにはこのように表記されてるんですが、
現地ガイドの発音では「ジャヤヴァルマン」という風に聞こえました。
ちょっと印象的だったので書いときます。



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